消化器

軽症胆管炎。今すぐにドレナージが必要か?(胆管炎・胆嚢炎ガイドライン2018)

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【臨床状況】
ある日の有床診療所の外来。
3連休初日に、30代の男性が胃痛を主訴に来院。
37.2度の発熱があったが、その他バイタルは異常なし。
腹部診察をしてみると肝叩打痛あり。
採血を取ると、WBC 10000/m㎥,T-Bil 3mg/dL,その他肝胆道系酵素軽度が上昇していた。
エコーでは、7mm×3mmの胆嚢腫大と胆管拡張あり
軽症胆管炎と診断し、絶食+抗菌薬で加療を開始したが、ドレナージできていない。

3連休に入るが、転院してでも、ドレナージした方がいいのか??

【Clinical Question】

P:軽症急性胆管炎と診断された、30代の男性
I:抗菌薬、絶食で保存的加療で72時間後にドレナージ術を行うのと比べ
C:24時間以内にドレナージ術を行うのは
O:敗血症や、胆嚢破裂などの重症合併症をどのぐらい増やすか

【二次文献】

Up To Date
・胆管ドレナージのタイミングは、疾患の重症度に依存する。 24時間の保存的管理に反応しない、軽〜中等度の胆管炎患者では、24-48時間以内に胆道ドレナージを行う必要がある。
・抗菌薬のみで治療するよりも、胆道ドレナージのために、内視鏡的括約筋切開術を推奨する(Grade1B)・技術的に内視鏡的減圧が困難な場合は、経皮的にドレナージが選択される。・抗菌薬加療と胆道ドレナージ術に加えて、根本的な原因の管理が必要。耽溺がある患者では、胆管炎解消後に胆嚢摘出術が推奨される。

ガイドライン(胆管炎・胆嚢炎ガイドライン2018)

●重症度判定基準TG18/TG13●

バイタル、採血(白血球、Bil、Alb、Plt、PT−INR、Cre)を確認

●重症度ごとの治療方針●

GradeⅠに関しては、やや幅が持たされている

●TG13 Grade別に見た、ドレナージ術有無の死亡率比較●

・Gradeが増すごとに、死亡率が上昇、多変量解析による重み付けのコンセンサスはなし
・GradeⅡの患者においては、早期のドレナージが有意に30日死亡率を改善した。
・重症度判定基準のためのTG 18/TG13だが、早期ドレナージの適応の判定としても有用か。

【考察】

・早期ドレナージが好ましいが、本症例はGrade Ⅰであり、24時間経過を見るのも、患者さんの背景次第では悪いプラクティスではない。
・ただ、24-48時間以内に下記バンドルに従い、バイタル、採血フォローは必要。
・重症度判定基準のためのTG 18/TG13を早期ドレナージの適応の判定としても有用というのは、非専門医には一つのメルクマールになりうる。次回、原著論文を抄読してみる。

【抄読する論文】
Kiriyama S, Takada T, Hwang TL, Akazawa K, Miura F, Gomi H, Mori R, Endo I, Itoi T, Yokoe M, Chen MF, Jan YY, Ker CG, Wang HP, Wada K, Yamaue H, Miyazaki M, Yamamoto M.J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2017 Jun;24(6):329-337. doi: 10.1002/jhbp.458. Epub 2017 May 29.

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