家庭医療理論

【退院支援】自宅か、施設か。考える点は?

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退院先を自宅か、施設か、、、
退院先を迷うことは多々あります。
円滑な退院支援をサポートするためのコツとはなんでしょうか。

Key point
①多方面からの客観的で「正しい」情報をとることを意識する
②誰からどんな情報を得られるかを考える
③迷ったら自宅退院を目指す

症例を提示します。

【症例】
88歳の女性で、85歳の夫と2人暮らし
Key personとなる長女は遠方に在住。
要介護3で、病前のADLはある程度自立していたが
IADLは自立しておらず、
買い物や洗濯などを週5日、ヘルパーに助けてもらっていた。

ある日、自宅内で転倒し圧迫骨折で入院した。
コルセット装着でリハビリを進める方針としたが、
ベースにLevy小体型認知症があり、入院中はケアチームに怒っており
リハビリが全く進まない。

必要な薬も飲めていない状況が続き、、
これは自宅に退院できるのか?

Key Pointを1つずつ考えていきましょう


①多方面からの客観的で「正しい」情報をとることを意識する

・例えば、家族に「入院前は歩けてましたか?」と聞くと
「はい、歩けてました」と言われたとします。
 我々はADLの欄に「自立」と書くことになるでしょう。

 でも実際は、歩けてはいたが、実際は家では手すりをなんとか捕まって、、近所の人からは「最近見ないわね」といわれており、、外来看護師からも「最近、変える時の歩幅が短くあぶなっかしいのよね、、」との噂があり、、
 などの状況があると「ADLは自立」とは言えないのかもしれません。

このように多方面から、必要な情報を正確に集めることが大切です。

②誰からどんな情報を得られるかを考える

ではまず誰からどんな情報を得られるのでしょうか。

・家族、本人
1番大時なのはやはり、本人や家族の意向です。
ここで大切なのは、「医師の発言は重い」という点を認識することです。
先に「施設がいいと思う」など言ってしまうと、家族は自宅が良い、、とは言いにくくなります。
その他に家族からは、入院前の生活状況最近の傾向家族のADL他の家族との関わり(介護力)経済状況自宅の環境公的サービスの利用状況などを聴取します。


・ケアマネージャー、生活保護のケーズワーカー、地域包括支援センター、保健師
 これらの専門職は、最も本人の生活を把握していることが多いです。
 時に家族よりも把握しており、すでに対策を施していることも多々あります。
 聞く情報は、基本的には家族と同じですが、やはり「多方面」から聞くことが定説です。。

・見舞いに来る近所の人、外来看護師
 これらの人々は、最近の患者さんの傾向をよく把握しています。
 特に定期通院している人だと、外来看護師がたくさん情報を持っています。

これらの多方面からの情報を得て
具合が悪くなる前と後を、よりリアルにイメージできるとベストです。

③迷ったら自宅退院を目指す

・客観的で正確な情報が集まれば、
 本人、家族に寄り添った選択肢を提供できていると思います。
 また、リハビリにおいての目標も明確になっているかと思います。

・その上で、ご家族が迷われたり、本人の意向と家族の意向が食い違ったり
 する時は「自宅を目指す」のもありかと思います。

1度施設に入ると、自宅での療養を目指すことは、とても困難になります。
 試験外泊を重ね、介護保険やケアの調整を行うなど、、
 家を目指す努力をするのは我々医療者の努めです。

・「施設が安心」は医療者のエゴであるかもしれません、
 また、その考えを家族に押し付けるのはさらに、、、



以上、退院調整のポイントを考察しました。
実際には、ソーシャル・ワーカーがこれらの情報収集は行ってくれることは多いですが、円滑な退院支援のためには医師・看護師、その他専門職にも必要な知識かと思います。

フランス、パリ、ルイヴィトン博物館

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