COVID-19

【COVID-19】⑤「現在の治療の最前線〜治療薬はあるのか〜」

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「COVID-19」の最新のエビデンスを紹介します。
文献は、EB Medicine(アメリカで最もポピュラーな救急医のための最新二次文献検索サイト)のCOVID-19の記事より抜粋いたします。

第1回:「その特徴と、なぜ死に至るのか〜敵を知る〜」
第2回:「今、日本にできること〜医療崩壊をもたらした、北イタリアの救命医からの提言〜」
第3回:「感染と予防のエビデンス〜不要不急の外出とは〜」
第4回:「検査、画像所見のUp to date〜診断に至るまで〜」
第5回:「現在の治療の最前線〜治療薬はあるのか〜」
第6回:「まとめ〜パンデミックが起きた時、治療の意思決定を共有できるか〜」

今回は、「治療」についてです。

最近騒がれているクロロキンはどうなんでしょうか。

 

 

【現状】
・コロナウイルス株のいずれかに感染した場合、ウイルスに固有の承認された治療法はない
・最近のJAMAの研究でCOVID-19肺炎と診断された多くの患者が、混合感染症予防のため、広域抗菌薬治療を受けた。
(モキシフロキサシン、89 [64.4%]、セフトリアキソン、34 [24.6%]、アジスロマイシン、25 [18.1%])。オセルタミビル、124 [89.9%])
・およびステロイドを追加投与されている患者もいた。
(グルココルチコイド療法、62 [44.9%])
・メチルプレドニゾロンが、ARDS患者の死亡リスクを減少させました(ハザード比0.38、95%CI、0.20〜0.72)

 

 

【降圧薬】
・多施設共動の後方視的コホート研究によると入院となった患者がもつ併存症で最も多かったのが高血圧であり(30%)、一般的に使用されている降圧薬、ACE阻害剤(ACEI)/アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)とCOVID-19感染のリスク上昇に相関があることがここ数週間で多く示唆された
・現時点では、ACEIおよびARBの患者は投薬を継続すべきとしている
・科学的根拠は存在せず、前向き多施設研究の実施が待たれている。

 

 

【抗ウイルス薬】
・抗ウイルス薬にかんしては、主にSARS-CoV、MERS-CoV、およびインフルエンザ感染症の治療ガイドラインに基づいて構築されている。
・現在、α-インターフェロン吸入(1日2回)、およびロピナビル/リトナビル(1日2回)の弱い推奨がある
・3767人の入院中のCOVID-19患者を対象にNEJMで掲載されたランダム化比較試験では、ロピナビルが死亡率や臨床的改善までの期間を減少させなかった。
・今のところ、COVID-19の治療における併用抗ウイルス薬療法は、その使用を根拠づけるヒトでのランダム化比較試験がないため、議論の余地がある
・レンドシビルは最近、SARS-CoV-1およびMERS-CoV感染を含む、さまざまなRNAウイルスに対する有望な抗ウイルス薬として認識されている
・COVID-19で行われた最近のin vitro試験では、レムデシビルとクロロキンが低いマイクロモル濃度かつ高い選択性をもって細胞のウイルス感染を抑制することを示しました。
・ファビピラビルとインターフェロン-α(治療群)とロピナビル/リトナビルとインターフェロン-α(対照群)とのオープンラベル非無作為化対照研究では、ウイルス除去までの期間を減少させ(中央値4対11日、 P <.001)、14日目の胸部CT所見を改善さた(91.4%から62.2%、P = 0.004)

 

 

【IL-6受容体遮断薬】
・SARS-CoV-2による最初の感染から数日から数週間後のCOVID-19患者の急速な悪化の原因としてサイトカインストームがますます研究されている
・潜在的な治療薬として炎症細胞受容体遮断薬と幹細胞療法を利用する可能性が高まっている
・現在COVID-19肺炎の治療におけるトシリズマブ(IL-6受容体遮断薬)に関して多施設臨床研究が進行中

 

 

【クロロキン】
・クロロキンが現在注目されておりARDSに寄与するIL-6の抑制、さまざまな抗ウイルス作用、免疫調節作用などが機序として挙げられる
・中国からの未発表データでは、クロロキンがCOVID-19の治療薬として研究されており、好ましい結果が得られていることを示唆されている
・広東省科学技術省と広東省保健委員会はCOVID-19肺炎のクロロキン治療として禁忌のない患者に対して1日2回500 mgの経口投与を推奨する専門家の決議を提出した
・Clinical Infectious Diseasesで発表された研究では、肺組織においてクロロキンよりもヒドロキシクロロキンの力価が強いことを示した
・この研究では、400 mgの負荷容量を1日2回1日間、続いて200 mgの維持用量を1日2回4日間投与することを推奨している
・COVID-19に対する治療薬と予防薬の両方としてこれらの薬物に関する臨床試験が進行中
・20人の患者を対象とした非ランダム化試験では、ヒドロキシクロロキン治療がCOVID-19患者のウイルス量を有意に減少/消失させたとし、さらにこの効果はアジスロマイシンの追加によって増加した。
・ヒドロキシクロロキンの投与量は1日600 mg、アジスロマイシンは初日500 mg、その後4日間250mg投与する。
この研究がプレプリントであり、査読・評価されていないため、臨床応用しないことを推奨しています。
臨床研究段階では、効果が示唆されているような段階。
まだ臨床応用は時期尚早かもしれない。

 

 

東京、すみだ水族館

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