COVID-19感染症で、肺エコーの有用性が見直されています。
今日は、呼吸不全の初期対応において、肺エコーを中心とした診療フローチャートを作成しました。
ポイント
①Aをまず評価
②ガスで最初の行動を決める
③肺エコーであたりを付ける

呼吸不全診療フローチャート
Key point. Pit fall.Clinical pearl
・急性心不全の評価忘れがち。頸静脈、下腿浮腫は見よう
・レントゲン正常はなんかある。
・用手で気道確保できない、レベル3桁、呼吸数30回以上なら挿管を迷わない
・気胸の聴診は聴診は腋窩中線上で!!
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First touch
Aを見る
下顎呼吸、シーソー(上気道閉塞)、いびき呼吸(舌の沈下)
喘鳴、ストライダー、血管性浮腫
→異物、アナフィラキシー、Killer sore throat
Bをみる
呼吸数、胸郭の動き、肺音評価(Wheeze)
→気胸、肺癌、肺炎、胸膜炎、過換気症候群
Co2ナルコーシス、ARDS
Cをみる
頻脈、冷や汗、チアノーゼ、頸静脈怒張、下腿浮腫
→緊張性気胸、肺塞栓、 ●急性心不全、ACS、心筋炎
【その他の所見】
皮疹、咽頭痛
【検査】
ガス採血(乳酸、CK-MB、トロポニンT)、胸部Xp、ECG
CT、心エコーと肺エコー、IVC
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♦鑑別の進め方
・ABCの何が異常か
・+αの鑑別
→ケトアシ、重症筋無力症、ギランバレー、甲状腺中毒症、
電解質異常(CaMgP)、貧血、腹水貯留、中毒
・頻呼吸の原因
⑴低酸素血症⑵高二酸化炭素血症⑶代謝性アシドーシス
⑷交感神経賦活⑸過換気症候群
・血痰、喀血ある?
・TOSS
急性「○時から苦しい!!」
→AMI 気胸、肺塞栓、気道狭窄など
亜急性「今日の日中から。。」
→心不全、肺障害(ARDS ALI) COPDの増悪 CO2ナルコーシス
慢性「ここ数日はこんな感じ」
→胸水、肺炎、胸膜炎など
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●Score,Red Flags
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・A-aDO2 15以上で拡散障害 A-aDO2=150-(PaCO2/0.8)-PaO2
・P/F比(Pao2/FiO2):200以下でARDS
・肺塞栓を疑えばWells criteria
【Wells criteria】
下腿浮腫と深部静脈の圧痛:3点
他の診断が見当たらない:3点
HR100回以上:1.5点
4週間以内の外科手術:1.5点
PR,DVTの既往:1.5点
喀血:1点
嘆癌患者:1点
低risk(3.6%):2点以下
中risk(20.5%):3-6点(造影CT撮像)
高risk(66.7%):7点以上
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●Medication
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アナフィラキシー
→エピネフリン(ボスミン)を0.3mg筋注
重症なら0.1mgずつ静注で追加
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【酸素療法】
鼻カニュ、マスク:1Lあげると酸素濃度が4%上昇。(20%から)
・努力性呼吸になればなるほど、マスクでのFiO2がさがる
→リザーバー付きのマスクに。
・純酸素だと2~3時間で肺障害が。それが60%酸素(FiO2 0.6)だと2~3日持つ.
この、2~3日持つ60%酸素(FiO2 0.6)が6Lリザーバーマスクに相当する!
→6Lまで下げると3日は肺障害起こらない。
リザーバーマスク:理論上は100%酸素
バックバルブマスクvsジャクソンリース回路
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●参考図書●

UK,Lake district