Ca代謝、低Ca血症の鑑別について復習します。
Clinical Question
Vit.D欠乏症はどうやって診断する?
①Ca代謝について
・Caの99%、Pの85%が骨に貯蓄されている
・Caは基本的にPTH(とVit.D)によりコントロールされている
・半分のCaはalbと結合して活性低下している(補正Ca=Ca+0.8[4-alb])
・アルカローシスでは蛋白結合性がupする
Caが低下すると、PTHが分泌され、以下の作用を示す
⑴骨吸収を促進して、CaとPを動員
⑵腎に働き、Caを再吸収を促進、Pは再吸収を抑制される
⑶腎でVit.D活性化→腸管でのCa,Pの吸収を促進
②Vit.D、 PTHについて
【Vit.D】
Vit.D:魚の脂肪に含まれるVitD2,D3、日光暴露によるVitD3
Vit.D→25Vit.D:肝臓で合成。血中半減期が2週間
25Vit.D→1,25Vit.D(活性型Vit.D):腎臓で合成。PTHにより活性化
1,25Vit.D(活性型Vit.D):腸管でのCa,Pの吸収を促進
【PTH】
Intact PTH:全長PTHを測定
高感度PTH:分解された破片のPTHも測定
Whole PTH:生物活性のあるPTHのみ測定(腎機能の影響を受けない)
Whole PTH×1.7≒Intact PTH
③低Ca鑑別
※低Mg血症、慢性腎不全がない場合
P
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IntactPTH
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Vit.D
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VitD欠乏症
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3.5mg/dl未満
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25or1,25
どれが欠乏?
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偽性副甲状腺機能低下症
(PTHの作用不足)
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3.5mg/dl以上
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35pg/ml以上
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副甲状腺機能低下症
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3.5mg/dl以上
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35pg/ml未満
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・VitD欠乏症の診断は、25Vit.Dが適切!!(保険適応は1,25Vit.Dのみ)
VitD欠乏症ではPTH分泌亢進し、腎で25Vit.Dから1,25Vit.Dがたくさん合成される。
→1,25Vit.Dは正常になることも多く、診断に苦慮する
④低Ca血症の治療目標
・補正Ca値で8〜8.5mg/dl+症状に合わせて
⑤VitD製剤
1Vit.D→アルファロール(アルファカルシドール)
1,25Vit.D→ロカルトロール(カルシトリオール)、エディロール(エルデカルシトール)
Clinical Question
Vit.D欠乏症はどうやって診断する?
→25Vit.Dが適切だが、保険適応外。。
リスク評価して、症例を選び検査を。
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