家庭医療理論

【家庭医療】思春期外来のポイント

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思春期外来のポイント

※新家庭医療ルーブリック「思春期のケア」についてはこちら

初回〜最初の一ヶ月の外来

1st. 『身体症状をもとにした関わり』から関係性を作る

★医師として、①隠れた疾患やを見逃さない②症状を緩和する
・Psycho-Socialな問題と思われても、まずはBioを丁寧に扱う
・不登校に関連する心身症を見逃さない (起立性調節障害、過敏性腸症候群、機能性頭痛)
・最も問題となる症状を1-2つ対症療法する

 

★初回面接は、ゆっくり時間をかけ関係性を構築する
・本人の目を見て挨拶する
・今日、医療機関を受診した理由を「患者本人に!」聞く
・本人がある程度慣れれば、一人だけで診察
・最初はClosedな質問から会話を試みる(質問紙も有効)。HEADSSS等を意識して、興味のある分野を探る。
・本人と目標を設定、方針を決める。

 

★大人として理解者であり、家族や社会とのつなぎ役となる
・「継続して不登校も含めて様子をみたい!!」と本人、家族に伝える
・ヘルスリソースとして理解してもらう。「悩んだら」ではなく、「体調が悪かったらいつでも相談に乗るよ」
・最後に親にも同席してもらい方針を共有
★本人が話を拒否する場合は
・沈黙する許可を「話したいことだけ話してね」
・身体診察を会話のきっかけとして利用する
・医師が今後も相談に乗ることを繰り返し伝える
・センシティブな話題は取り扱わない
 

2nd. Socialな問題を取り扱い、『気付き』を促す

★Socialな問題を扱うので、先に守秘義務を宣言する
「今日ここで話してもらう内容については学校はもちろん、親にも話したりしないので安心してください」「内容によっては、あなたの同意があればお伝えすることもあります」 

★心身症という概念があることを理解してもらい「気付き」を促し向き合う
・「症状の原因となるような重大な疾患は無さそう」「症状には学校に行きたくない気持ちが影響している可能性がある。心当たりはないか?」
・「気づき」がなければ、経過観察や追加精査をする中で再度提案
・患者の事実恐れ見解を本人の言葉で聴取する
・一緒に付き合いながら向き合っていくことを提案

 

 

3rd. 最初の1ヶ月で情報を収集する

★変化を確認し、努力をサポート
・身体症状の変化、行動の変化、気分の変化を確認する
・努力していることを労う、家族の努力を労う

・自分の意見を持ち、自主的であろうとする本人の努力をサポートする

 

親にも同じくらい気を配る(親は第二の患者)
・「親にとって大事こと」を伝え、サポートする→子を受け止める、子を支える、一人で悩まない
・「親の主訴」と「本人の主訴」は分けて考える

 

★最初の一ヶ月は週に1回来てもらい、は現状維持を目標にすることを共有

♦収集する情報♦
【親・学校】
①保育園、小中高校での様子を教えて下さい(指摘されたこと、友達関係、得意なこと)
②学校で何か変わったことがあったと聞いていませんか?(ネガティブ要素・ポジティブ要素)
③学校の成績、得意不得意
④家族図の作成(家族間の関係性の評価)
⑤こどもの性格は?
⑥子供の不登校に関して家族がどのように考え、対応しているのか?学校や他の相談機関に相談したか?
⑦学校での集団生活における子供の状態(友達関係や学習の理解、生活の様子)
⑧学校で利用できる資源を同定(カウンセラー、懇意な先生)
【子ども】
①学校が終わったら何をしているの?部活や趣味
② 友人やその関係性。
③「まわりで、タバコ(アルコール・ドラッグ)やっている人いる?」
④「まわりで性交渉をしたことがある人はいる?」STDや妊娠についての知識の確認。
⑤ストレスを感じる?どう対応している? 相談相手は?
⑥家庭内や学校、地域での事故、暴力の経験は?
⑦家庭や学校でのイベントで本人の解釈モデル

4th. 1ヶ月を過ぎた後のフォロー

 ★小さな目標を一緒に立てて、定めた治療目標にむけて取り組む。

【目標のStep】

 ①家族と挨拶ができる
   ↓
 ②好きなことを楽しめている
   ↓
 ③生活リズムが整っている
   ↓
 ④家庭の中での役割をこなせている(家事・勉強など)
   ↓
 ⑤外出ができる
   ↓
 ⑥定期的な社会参加ができる(部活、塾)
   ↓
 ⑦学校に週に1回行ける
   ↓
 ⑧登校しているが、保健室・相談室登校が半分以上
   ↓
 ⑨週1-2回休む程度で登校できている、早退は週のうち半分ぐらい
   ↓
 ⑩早退せず、毎日登校できている

現状維持できていればokと割り切る
・2週間に1回の定期受診、状態が改善すれば1-2ヶ月に一回
・『こどもと家族がもう大丈夫と納得するまで』受診
・子どもは来られなくれも、子供の周囲を支えるという意味で、家族のみの受診でも継続する
変わったこと、楽しかったこと、生活リズム、食事のこと、外出のこと、学校のことを聞く


★一ヶ月フォロー時の評価
・発達障害や精神疾患の存在、身体疾患がないか?
・子供と家族に対する考え方を確認し、治療目標を明確にする

 

★ サンクチュアリ(避難所)になることを目指す
・いやー、そんなに辛かったら別に学校行かなくてもいいかもね、、ぐらいの姿勢でも良い
・患者の肩を持つのではなく、医療者にしか果たせない避難所としての役割を果たすことが理想

 まとめ

なかなか、うまく行かないことも多々ありますが。。

不登校は複数の背景因子が絡み合っており、焦らずに話を聞いて待つ必要があります。しかし、どうしても医療者が結果を求めてしまう事を自覚する必要があります。

一緒に、じっくり向き合えればいいですね、、

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