フロセミド、ループ利尿薬の使い方

家庭医療理論

ループ利尿薬は、最もよく使われる薬の一つです。
救急外来、定期外来、在宅、緩和とあらゆる場面で使用されます。
近年は、『むくみを取る薬』としてネット販売もされています。
利尿薬の使い方をフロセミドを中心に勉強し直しました。
文献は主にUp to dateです。

Tips・Pit fall

☑フロセミドの効果は内服:静注=1:2
☑利尿は30分以内に起こり、ピークは1〜2時間、6時間で切れる
☑生食+自由水の尿がでる
☑低Albだと効果が低い
☑腸管のむくみがあると、内服薬が吸収されにくい

フロセミド(ラシックス)の使用法

初期量

・利尿薬内服歴あり→内服量の1-2倍I.V
・利尿薬内服歴なし→20〜40mgi.v(eGFR30以下or重症なら増量)
・CKD症例はCr×20mgi.vを目安に
☑目標尿量は6時間までに100-150ml/h以上

反応なければ

・2-3時間後に評価、反応乏しければ初回の倍量を投与
・最大有効量まで増量可
 ☑eGFR30ml/min以上:最大有効量フロセミド80mgI.V
 ☑eGFR30ml/min以下:最大有効量フロセミド200mgI.V

 

・最大有効量でも反応なければ持続を試す
☑eGFR 75ml/min以上→5mg/h(だめなら10mg/h)
☑eGFRが30ml/min以下→20ml/h(だめなら40mg/h)

Max dose

・極量は400-600mg/day
・超えると耳毒性

副作用

☑低Na,K血症
☑高尿酸血症
☑代謝性アルカローシス

目標達成すれば

・12時間ごとに反応した量を
・下腿浮腫が消失すれば、内服に切り替え
・Dry Weightまで加療

同効薬の使い分け

★フロセミド:アゾセミド(ダイアート):トラセミド(ルプラック)=40:60:20

アゾセミド(ダイアート)

・12時間持続、RAA系や交感神経を刺激しにくい
・長期投与する際は切り替え

トラセミド(ルプラック)

・内服でもI.Vとほぼ同等の効果

代替療法

スピロノラクトン

長期に利尿薬を使う人はadd onを
・1日12.5mg-25mgから4週間後に増量(目標は25-50mg/day)
良い適応
・症候性HFを有するHFrEFの患者でLVEFが35%以下の場合
・LVEFが40%以下の心筋梗塞(MI)後、ACEARBが投与されており、症候性HF or DMがある
・肝不全に対してはフロセミド:スピロノラクトン=2:5

サムスカ

使用開始5日目での呼吸困難改善の効果あり

 

CQ

ラシックス使用中にCRE上昇したら?

・他の原因を探す(腎毒性薬剤,尿路閉塞 )
・CVPがまだ高ければまだ利尿を
・利尿が得られないのにCRE上昇は透析考慮
・cre上昇は体液の希釈を表しているだけかも。。
・心不全の治療中にcre上昇した人の方が予後が良かった

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