D-dimerで心原性脳塞栓症を予測できるか?

Common Disease

補助診断としてD-dimerの有用性は?

脳梗塞で入院された患者さん。原因は、心原性脳梗塞か、非心原性脳梗塞か?心房細動があれば、心原性脳梗塞と考えやすいですが、心原性脳梗塞のうち1/3は心房細動が無いとも言われています。

 

補助診断としてD-dimerの有用性はいかがでしょうか。

 

一次文献

Arch Intern Med 2002;162:2589

 

・126人の患者(心原性塞栓が34人、アテローム血栓性が34人、ラクナが31人、不明が27人)
・平均年齢75.5歳

D-dimer 感度 特異度 陽性尤度比 陰性尤度比
>2mg/mL 59.3% 93.2% 8.69 0.44

 

Stroke.2008 Aug:39(8):2280-7


・707人の患者(心原性塞栓が259人、アテローム血栓性が151人、ラクナが128人、不明が169人)

D-dimer 感度 特異度 陽性尤度比 陰性尤度比
>0.96mg/mL 56% 64% 1.5 0.68
>0.96mg/mLかつBNP>76pg/mL 87% 85% 5.8 0.15

 

PLoS one.2015 Feb 13;10(2):e0118301PLoS one.2018 Oct 1;13(10):e0204838

 

・317人の患者(心原性塞栓が162人、アテローム血栓性が37人、ラクナが128人、不明が169人)
・STAFという心房細動予測スコアとの組み合わせ

STAF score
年齢62歳以上:2点 NIHSS score 8点以上:1点 左心房拡張あり:2点 血管病因:3点
D-dimer 感度 特異度 陽性尤度比 陰性尤度比
>0.79mg/mL 58% 78% 1.5 0.68
>0.79mg/mLかつSTAF≧5 95% 100% 0.05

 

まとめ

 

論文はたくさんありましたが
Systematic review&Meta analysisはまだありませんでした。
注意点としては各論文、入院日のD-dimerである点です。

心原性脳梗塞の事前確率がある程度あれば
入院時採血に、できればBNPとあわせてオーダーを。

 

アメリカ、ラスベガス

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