蕁麻疹は『膨疹、すなわち紅斑を伴う一過性、限局性の浮腫が病的に出没する疾患』と定義されます。 原因は特発性が多く、外来でも『とりあえずフェキソフェナジン、、』となりがちですよね。 RED FLAGと、抗ヒスタミン薬やステロイドの使い方をまとめました。
鑑別診断
蕁麻疹様血管炎、色素性蕁麻疹、SLE
Red Flags
蕁麻疹様血管炎らしさは?
☑痛みを伴う皮疹
☑発熱、関節痛、関節炎、体重変化などの全身症状を伴う
☑24〜36時間以上持続する場合
☑環状紅斑、斑状出血、紫斑
PLAN
採血(WBC↑ 補体↓ CRP↑)+生検目的に皮膚科紹介
色素性蕁麻疹らしさは?
☑上肢と下肢
☑小さな黄褐色から赤褐色の丘疹またはわずかに隆起した丘疹
☑ダリエー徴候陽性(新しい皮疹部を掻くと膨疹になる)
Treat
病型はしっかり見極めておく
①アレルギー性
②食物依存性運動誘発
③アスピリン
④物理刺激(機械性、寒冷、日光、温熱、接触など)
⑤コリン性
⑥血管性浮腫
抗ヒスタミン薬
☑慢性蕁麻疹の場合は長期間内服
・蕁麻疹を罹患していた期間ぐらい内服する
☑倍量まで増量できる
まずはフェキソフェナジン(第二世代)
☑用量 12歳以上:60mgを2回(空腹時のほうが良い) 2-12歳:30mgを2回 6ヶ月-2歳:1回15mgを1日2回
☑増量 反応が微妙なら倍量に増やす240mg/日まで
その他の第2世代
☑サイザル(ジルテック)
・1日1回でok、5mgから
・小児や妊婦も安心
第3世代
☑ビラノア(ビラスチン)
・1日1回空腹時20mg
・眠くならないし、強いけど空腹時が手間
追加治療
☑まずはH2ブロッカー(ファモチジン)
・保険適応外であることに注意
☑ステロイド
・H1+H2でだめなら
・体表の30%以上の耐え難いかゆみであれば
・プレドニゾロン換算量 <0.2mg/kg/日を1week
・ステロイド1weekでだめなら、もう紹介を
Follow up
☑週2~3回程度、1回に出現する膨疹の数が数個以内の程度なら、適宜頓服に変更
☑4週間以上持続していれば慢性蕁麻疹、60%以上は1年以上付き合っていかないといけない
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