「あと1ヶ月もちますか?」
患者さんや家族に予後を
聞かれることは多々あります。
「口からご飯が食べられなくなったら一ヶ月」
と研修医の頃教わったこともありましたが、
医療者はがん患者の予後を長く見積もる
傾向があると言われています。
今日は、がん患者の予後予測スケールを紹介します。
がん患者の予後予測スケール
PaPスコア
・臨床的な予後予測を補正するツール
→9点以上で21日以内の可能性が高い
→5.5点以下なら30日以上(月単位)
の可能性が高い
臨床的な予後予測 | 1-2週:8.5点 3-4週:6.0点 5-6週:4.5点 7-12週:2.5点 13週以上:0点 |
食欲不振 | あり:1.5点 |
呼吸困難 | あり:1.0点 |
白血球数 | 11000以上:1.5点 8500-11000:0.5点 |
リンパ球% | 12%以下:2.5点 12-20:1.0点 |
PPI スコア
・客観的な指標で評価されるルール
→6.5点以上で21日以内の可能性が高い
→3.5点以下で42日以上(月単位)
の可能性が高い
ADL | ADL寝たきり かつ 経口摂取減少or昏睡が ある:2.5点 |
経口摂取量 | 数口以下:2.5点 減少している:1.0点 |
浮腫 | 1.0点 |
安静時呼吸困難 | 3.5点 |
せん妄 | 4.0点 |
PiPS スコア
2015年にイギリスで開発されたツール
http://www.pips.sgul.ac.uk/index.htm
血液検査があればPiPS-B
血液検査がなければPiPS-Aを
・項目
乳癌、男性生殖器の癌
遠隔転移、肝メタ、骨メタ
Mental test score、HR、食欲不振
呼吸困難、嚥下障害、体重減少 PS(ECOG PS、Global health)
血液検査
WBC、好中球、リンパ球、血小板、尿素、ALT、ALP、Alb、CRP
考察
・PPIスコアではADL寝たきりで経口摂取不良
となれば3.5点以上になり
「口からご飯が食べられなくなったら一ヶ月」
とはあながち間違いではない感覚かもしれない。
・呼吸困難やせん妄も予後規定因子としては大切。

コメント
[…] ♦INTERMED score 内科および外科患者(主として入院患者)の評価や治療計画に必要なBPSアプローチを反映させるために、de Jongeらにより開発された多次元評価尺度 20項目×3の60点満点で評価される 日本語版はこちらから ④見えた複雑性、介入すべき点に介入する ♦手段1) 疾患、症状のマネジメント ・すべての健康問題をリストアップ、優先順位を考える ・現状を正しく評価する 例: Treatable dementiaはないか? 予後予測、疼痛の評価(PAINADスケール)、他科との連携など […]